続いて、ボーナス返済についてです。ボーナス返済とは、年2回のボーナス月(選択できます。)に、月々の返済とは別に、一定額を返済することです。
月々の返済とは別ということで、借入れ額の内、月々分はいくら、ボーナス分はいくらと分けて、それぞれの返済額を計算します。しかし、ボーナス分は借入れ額の40%(フラット35)、あるいは50%までという制限もあります。
ボーナスのある方は、もちろんボーナス返済を考えてもいいと思いますが、将来的にボーナスがあり続けるかということも同時に考えなくてはいけません。給与体系の見直しや不景気でボーナスが無くなったり、はたまた転職してボーナスが無くなったりするかもしれません。
そういった理由であまりおすすめはできませんが、返済計画を立てる上で、知っていて損は無いものだと思います。うまく利用してください。
ここまで、ざっと見てきましたが、繰上げ返済やボーナス返済は、言ってしまえば返済の手法です。大事なのは、それを利用するかどうかの判断の基となるライフプランです。ライフプランを描かないと合理的な返済計画は立てられません。返済計画はライフプランとリンクするものです。
例えば、何年後に長男が学校に入って…何年後に長女が卒業して…何年後に奥さんが仕事を辞めて…何年後に主人が退職して…など、あらかじめ考慮に入れて返済計画を組み立てましょう。
最後に、ローンの借り換えというものも見てみましょう。これは、ローン返済中に借入れ先の金融機関を変えることです。変えるということで、新たな金融機関で新たな金消契約を結び、新たに借りたお金で元の金融機関のローンは完済させます。ちなみに、フラット35への借り換えはできません。
そのローンの借り換えは、現在の固定期間と同じ固定期間のもので、現在の適用金利より1%以上金利が低い金融機関があれば、そこへのローンの借り換えを考えてもいいでしょう。しかし、制限がありますし、費用も結構かかります。
制限としては、返済期間は前のローンの残りの期間内で設定しなくてはならないということです。では、繰上げ返済をして期間を短縮した場合はどうかというと、その短縮した期間内で設定しなくてはなりません。新たに35年ローンということはできないのです。
また、担保評価額の何%までという融資基準もあります。通常のローンにも、担保となる不動産の評価額の100%以内などの融資基準がありますが、借り換えローンの場合、地価が上がるなどしない限り、その評価額は年を追うごとに下がるので、融資が借り換えに必要な額まで達せず、借り換えローンを組めないこともあります。
昨今では、担保評価額の300%まで融資してくれる金融機関もあるのですが、審査はそれなりにシビアだと思ってください。
そして、新たにローンを申し込むということで、以下の費用がかかってきます。
抵当権者である金融機関が変わるので、新たな金融機関が抵当権者になるように、抵当権を再度設定しなければなりません。その際、前の金融機関の抵当権を消す作業にも税金がかかり、それを抵当権抹消登記の登録免許税といいます。税額は、不動産一個につき1,000円です。
また、再度かかる抵当権設定登記の登録免許税ですが、最初のローンのとき、特例で軽減税率が適用(借入れ額×0.1%)されていたとしても、次のローンでは、借入れ額×0.4%という本来の税率になります。
借り換えについて見てきましたが、どうせならそんなことしたくないと皆さんお思いでしょう。そんなことをしないためにも、当初の住宅ローン選びは慎重に行わなくてはならないのです。
しかし、金利の上昇や金融機関の動向などの不確定要素もあるので、将来的に借り換えローンを利用せざるを得ない状況になるかも知れません。
お金を借りる立場なので、そのくらいのリスクを負うのも仕方ないといえば仕方ないですが、そうであるからこそ、きちんと自己責任の意識を持ち、少なくとも合理的な返済計画を立てて、返済に臨むべきです。借り換えローンはその返済計画の失敗をフォローするための一つの制度として理解しておきましょう。
そして、最後に、どうしても返済が苦しくなってしまった時、そんな時は借り入れ先の金融機関に事情を説明して、今後についての相談をしてください。何かしらの提案が出ると思います。
苦しくなったら一人(家族)で悩まず、すぐに誰かに相談することが大切です。皆さん!頑張ってください!!
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